大阪地方裁判所 昭和23年(行)250号 判決
原告 北浦重之
被告 大阪市東淀川区農地委員会
一、主 文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
二、請求の趣旨
被告が昭和二十三年十月十八日に、別紙物件表記載の土地についてした買収計画はこれを取消す。訴訟費用は被告の負担とする。
三、事 実
原告訴訟代理人は、その請求の原因として原告は別紙物件表記載の土地の所有者であるが、被告は昭和二十三年十月十八日に、右土地について買収計画を立て、同月十九日、これを公告した。原因はこれに対し、同月二十八日異議の申立をし被告は同年十一月十八日これを却下し、同月二十日その通知をした。しかし、右土地は省線東淀川駅西出口又は東出口からいずれも百米余の地点にあつて、附近の住宅地に接続しておる。原告は右土地に住宅を建設する目的でこれを所有しておるもので、曽ての財産税査定の際も宅地として評価を受けた土地である。従つてこの土地は近い将来市街地となることは確定的であり、自作農創設特別措置法第三条の対像とすべきものではないから、右買収計画は違法である。
被告訴訟代理人は主文と同趣旨の判決を求め、事実上の答弁として次の通り述べた。
「原告主張の土地についての買収計画、これに対する異議及びその却下に関する原告主張事実は全部これを認める。
しかし、右土地は現况農地であつて、また農地より除外すべき指定もされていないから、被告がこれにつき買収計画を立てたのには何等の違法もない。
原告は右土地が自作法第五条第五号により買収から除外さるべき土地であると主張するようであるが、右土地は近く土地使用の目的を変更することを相当とする農地に当らないだけでなく、右規定による除外を受ける為には、まず農地委員会にその除外指定の申請をすべきもので、その申請をしない場合は、その指定がないことを理由とする行政訴訟は許されないものである。
四、理 由
原告主張事実は右記載の通りであつて、本件買収計画取消の事由として主張せんとするところが、右土地が農地でないというにあるのか、或いは自作法第五条第五号により除外すべき土地であるというにあるのか、明かでないが、これはまず本件土地は農地ではない仮に然らずとするも右第五条五号の不適地であると主張するものと解すべきであろうが、原告は右取消の原因たる事実について全然立証をしないので、右事実はこれを認めるに由なきものであり、従つてまた原告の請求もこれを認めることはできない。
よつて訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用し、主文の通り判決する。
(裁判官 山下朝一 相賀照之 山本一郎)
(目録省略)